火葬と土葬について

日本では1930年代に火葬が土葬を逆転し、現在では世界でも有数の火葬大国です。人口密度が非常に高く土地も人口に対して少ないため、必然的に火葬が広がっていきました。また、それ以外にも日本で火葬が増加した要因として、人の移動が多くなり、田舎から都会に出稼ぎに行き、最後は故郷で眠りたいという要望があり、その移動を簡単にするための手段として、火葬が増加したのではと考える人もいます。また、葬送については宗教の影響も強く反映され、仏教やヒンドゥー教では火葬が一般的です。キリスト教は逆に土葬が多かったのですが、宗派により、火葬が広まっているところもあります。

近年では、火葬後に墓標や墓石を建てずに芝生や樹木の下に遺灰を撒いたり、骨壺を埋葬する形式が広まっています。スウェーデンには森林墓地として有名な世界遺産もあります。日本でもこうした自然葬が流行しつつあり、散骨は自然葬の一つであります。

イスラム教では、火葬は禁忌であり、今でも土葬が一般的に行われています。今後、大きな宗教改革がなければ、イスラム教は引き続き土葬を続けていくのではないでしょうか?